つくり手×つくり手INTERVIEW 第11回 KOZO INTERIOR STUDIO
2015年10月05日

今回は飛騨コレクション制作部の浦西が、KOZOインテリアスタジオさんにインタビューにやってきました。
以前から人の喜ぶ顔が見たい、そのための仕事がしたいと言い続けていた阿部くんの、詳しいお話が聞けるのが
とても楽しみです。

―ところで阿部くんは今年でいくつになったんだっけ?
37才です。
飛騨に移り住んで14年になりますね。
―「飛騨の木工房の会」の中で一番の若手で、唯一20代なんて話していたのは、もうかなり昔だね。
時間が経つのは早いもので・・・
あらためて聞くけど、飛騨に来るキッカケや木工に興味を持ったことって何かあったの?
実家が建具やアルミサッシを販売している会社で高校をでて手伝っていたのですが、4~5年たった頃に
住宅業界ではシックハウス症候群という言葉をよく耳にするようになりました。
その時に単純に疑問を覚えたんです・・・。
35年ローンを組んで家族のために建てたマイホームのせいで家族が病気になるなんて!!
当然うちで収めていた大手建材メーカーから仕入れていた化粧合板でできた建具はその原因でした。
単純に自分の仕事にも疑問が・・・
―シックハウス症候群、かなり話題になったよね。
暮らし全般に使われているものすべてへの問題意識も高まった時期だったような気がします。
そこで阿部くんは動き始めた訳だね。
いや実は何にも動いたわけではないんです・・・
ただそんな時期に今の奥さん、当時の彼女へのプレゼントに現場で出る端材で素人ながら机を作りました。
それを見て彼女が「 これ仕事にしたら良いんじゃない? 」ってことで、
行動力のある彼女が先に動いて(笑)
「ラジオで飛騨高山が家具の産地だと聞いたので正月に旅行に行こう!」と言い出したのが
すべてのはじまり、すべてのキッカケです。

―奥さんとの出会いで、今の阿部くんがあるようなもんだね。
それは横に置いといて!!
とにかくお正月に高山に行き、その1月中旬に再度高山に行ったんです。
木工房やらメーカーさんのショールームなどを回り、さらに2月には職業訓練学校の二次試験を受け、4月には高山に引っ越していました。
今思うと誰ひとり知り合いがいないのに、ただただ勢いだけで来てしまったって感じです。
―当時の木工職業訓練校、今では「木工芸術スクール」って言います。
まあ今日は学生時代のお話は省いて、卒業後に勤めていた時の話を少々お聞きしたいですね。
小さな木工房って、勤めるにはなかなか厳しいようですが・・・
卒業後は小さな木工房に勤めましたが、やっぱり訓練学校を出たとは言っても機械に少し触れる程度で、
実際にはまったくの木工素人なんです。
当時の先輩がすぐにやめてしまった事もあり、社長も忙しくって・・・
木工のイロハを教えてくれる人もおらず、どうしても製作に時間がかかり、毎日毎日夜中まで仕事をしてました。
―最近の木工芸術スクールの生徒さんと話すと、みんなまずメーカーに勤めて安定した生活をしたいって思っているようなんだけど、独立志向が薄れてきているのかなあ~
これからの飛騨の木工のためには、メーカーだけじゃなく、人が長く勤めることができる「木工房」も必要かもしれないですね。
何か、これから木工房で働きたいという人へのメッセージってある?・
ただ漠然と木工がしたいというだけでは無く、木工の中でも「椅子の制作がしたい」とか
「プロダクト」がしたいとかいやいや実は販売がしたいとか、
自分が本当にやりたいと思うことをしっかりと考えておくとしっかりとした選択ができると思います。
―じゃ、そろそろ阿部くんの核心に迫りたいと思います(笑)
よく「人に喜んでもらえればいいんです」みたいなことを言ってるけど、その辺りを語ってもらおうかな。
最近、気づいたんです。
自分は単純に「人に喜んでもらうと嬉しくて、それが自分のエネルギーになる」

―なるほど。
でも阿部くんのモノづくりとどうつながっていくの?
今、自分の持っているモノのなかで一番得意な事それが「木工での製作」なんです。
つまり、それが「人を喜ばせるの一番良い方法」だと思ってます。
ただこの先、自分がやりたいと思いそれが人を喜ばせる事が出来るのであれば変化はしていくかと思います。
例えば木工の販売だったり、企画だったり・・
―ただ木工での制作だけではなく、企画や販売もやってみたいと。
そう言えば、阿部くんは人と話すのは好きなんだもんね。
人に喜んでもらうこと、また同時にそういうことを仕事にできていていいですね。
ちゃんと独立をして7年目くらいですが、とにかくガムシャラにやってきましたが、
実は何となく分かってきた事があります。
一人で独立するという事は、普通のどんな企業でも行われている「営業、企画、製作、その他諸々」を一人でやる事。
普通の会社はそれをみんなで協力し合ってやっている訳です。
よくよく考えるとそれを一人でやるってのはよほどのエリートやスーパーマンでしか無理だと思いました。
逆に仲間で協力をする事で成し遂げられる事、仲間で協力する事でしか成し遂げられない事があるように
感じはじめています。
みんなでモノを作るって楽しそうじゃないですか!!
この「 木工房の会 」も、そのメンバーで行っている「 イベント 」もその事を意識していければと思います。
―なるほど、なるほど。
でも、さらに「人に喜んでもらえればいい」ってところを掘り下げたいな~
ところで阿部くんって、地元愛って強いよね。
地元って、もちろん今住んでいる朝日村のことだけどね。

今まで話した事でもそうなんですが、この性格が暮らすのに「 朝日 」という場所は
最適だったように思います。
地域の祭りや消防団などのボランティア活動、商工会青年部の活動だったり、地方では若者の減少が目に見えてわかります。それらの活動の維持が難しくなってきているのが現状です
地元の方にとって「 僕のような若い年齢層が移住する意味 」ってそいう事に参加する事だと思ってます。
なので僕はそういった活動ヘはできるだけ参加させてもらってます。
僕はなにげなくやっていたのですが色々聞くと、実はそれって一般的には難しいみたいです。
僕の性格だから、地元の人も受け入れてくれるし、
「皆、よそから来た人なのに色々強力してくれてありがとう」って言ってくれます。
今住んでる地域以外の人からも冗談で、「うちに越してくれれば良かったんに~。空家ならいくらでもあるぞ~」って。しかもいくつもの地域からも言われます。
特に同世代の人に言ってもらえるのが嬉しいです!!
そんな会話がエネルギーになるので続けられるんだと思います。
都会だと利用されるイメージの感が強くてしんどかったんですが、
今この場所には「 自分の居場所 」がちゃんとある気がします。
―あ、忘れてた~
木工房めぐりのワークショップのお話も聞かなきゃ。
今の話に繋がるのですが、そんな自分を受け入れてくれる「 朝日 」
それが僕のモノ創りや暮らしている上でのパワーになるので、そこのために何かできればと思いました。
だから作品も当然、見てもらうのですが今年は朝日の事を知ってもらいたいと思い朝日の名産品「ヨモギうどん」
を手打ちで体験してもらいたいと思いました。
色々調べるとヨモギの効能って凄いんですよ!!当日は飛騨各地で薬草講座や子供の為の森の幼稚園など
をされている講師の方をお呼びしてその効能とお供に朝日を満喫していただければと思います。
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KOZO INTERIOR STUDIOの詳しい情報はこちら http://kozostyle.jimdo.com/
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飛騨の木工への愛情、さらに朝日村への深い愛情いっぱいの阿部くんでしたね。
そんな阿部くんのKOZOインテリアスタジオは、住まいと工房・ショウルームが一緒になった素敵な空間です。
ワークショップも楽しみです。
ぜひ、みんなで朝日村へも行こう!!
みなさんも直接会って、ぜひその人となりに触れてみてくださいね!
ここでは書ききれない、書けない?お話もたくさん。心地よい秋の一日、飛騨の工房につくり手にぜひ会いにきてくださいね♪
「つくり手×つくり手インタビュー」は、イベント開催まで、随時更新!
いろんな面白いつくり手の話は、まだまだ続きます。次回もお楽しみに!
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Posted by 飛騨の木工房の会 at 21:00
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