作り手の「道具」 しずく窯

2020年06月07日

高山市郊外で焼き物をしております しずく窯中西です。

今回は焼き物を作るのになくてはならない ‘窯‘ のお話です。陶芸の窯と言えば 電気窯 灯油窯 ガス窯 薪窯など色々な種類があり
それぞれに特徴があります。

私の工房では主にガス窯と薪窯を使って作品を焼成しています。

ガス窯は陶芸では最も一般的な窯で扱いやすく焼成も比較的簡単で 私の工房では1か月から2か月に1回ほど焼成しています。
ガス圧と煙突の引きの調整で窯の内部の雰囲気が決まります。焼成温度は1220~1250度くらいです

ただ扱いやすい窯とはいえ季節によって温度の上り方、焼けた作品の色なども違ってくるので極力同じものが焼けるよう調整しますが
何回窯を焼いても全く同じようには焼けないのが焼き物の難しいところです。

私の作品の場合、これから梅雨の時期 夏にかけて最も窯の焼きにくい時期になります。8月には窯を焼きたくありません。
作り手の「道具」 しずく窯



次は薪窯です 工房の窯は穴窯と呼ばれる比較的原始的な窯で斜面に穴を掘り、耐火煉瓦をドーム状に積み上げて制作します。20年程前に
自分で設計,築窯しました。
穴窯の面白いのは 窯の中で作品が変化するところです。一般的に窯変と言われますが 燃料になる赤松の灰や窯の中のガスの影響で
ガス窯には見られない自然な変化が生まれます。 画像の作品は釉薬をかけていませんが作品の表面に降りかかった松の灰が粘土と反応して
ガラス状になる自然釉、生地が赤く色づく火色などは薪窯で長時間焼成することで得られる変化です。
以前は自然釉の作品を焼成するのに1週間窯を焼いていた時期もありました。
作り手の「道具」 しずく窯
作り手の「道具」 しずく窯
やはり薪窯での窯焼きは予想できないものが出てくることが面白く、窯出し時のドキドキ感はガス窯や電気窯にはないものです。
変化にとんだ面白いものが焼ける反面 作品にならないようなものも数多く出てしますのが悩みどころでもあります。

焼き物屋にはなくてはならない窯。最後の仕上げが窯頼みなのも陶芸の醍醐味なのかもしれません。



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